トップコンビという夢

宝塚歌劇は5組それぞれにトップスターという絶対的0番がいて、トップスターの相手役を務めるトップ娘役がいます。

トップスターとトップ娘役の二人は所謂トップコンビと呼ばれており、一部例外を除き基本的に宝塚のお芝居はこの2人のラブストーリーが中心に描かれ、レビューでも2人で組んで踊ることが大体。

そして最後には舞台上にトップコンビ2人だけが残り踊る、デュエットダンスという最高の時間が待っている訳ですが……。

 

トップコンビという関係、ロマンチックすぎない???(今回の本題)

 

私の初観劇は宙組モンテ・クリスト伯/Amore de 99!!-99年の愛-」でした。

トップスターという存在は知っていましたし、トップ娘役という存在も薄ぼんやりと理解していましたが、宝塚のお決まり的演出は全く知らないドドドドド初心者でした。

モンテ・クリスト伯」では主人公とヒロインのすれ違いにやきもきし、最後のハッピーエンドで「ご都合主義がなんぼのもんじゃい!ハッピーエンドが最高!」と感動。

そして「amoure de 99!!」では初めて見るショー作品に驚きつつも見入り――最後の最後、てるみりのデュエットダンスで「宝塚歌劇」の世界観に一気に落ちました。

誰か特定のタカラジェンヌさんに落ちた、というよりは宝塚歌劇自体に落ちた、という表現が一番近いかと思います。

 

それからは宙組を中心にのんびり観劇。

浅く広く全組を楽しみながら、どんどんトップコンビという他では見られない宝塚独自の関係性を拗らせていくことになります。

 

私は現在進行形中で真風涼帆・星風まどかの宙組トップコンビまかまどに絶賛狂っていますが、その少し前、花組の明日海りお・花乃まりあ花組みりかのコンビを拗らせに拗らせていました。

みりかのは正直言って、最初から順風満帆なトップコンビだったとは言えません。

それは花乃ちゃん退団時にみりおくんが歌劇で彼女に寄せた文章からして明らかです。「気持ちのすれ違いに悩んだ時期もあった」とみりおくんがはっきり綴っています。

だからこそ、「金色の砂漠」東京大千秋楽のみりおくんが花乃ちゃんに向けた言葉に、表情に、私は大号泣も大号泣でした。

ファンとして不安に思ったこともありました。

でも大千秋楽のみりおくんと花乃ちゃんを見て、ファンが知りえる情報なんてほんの表面上のものしかなくて、みりかのは2人だけの感情・時間をたくさんたくさん共有して、そしてあの最後の舞台に立っていたんだなと思うと…

 

トップコンビ、なんてロマンチックな関係なんだ…

 

…と思わずにはいられませんでした。

みりかのでトップコンビを拗らせに拗らせたといっても過言ではありません。というかそうです。

ちなみに私の大好きなみりかの観は花乃ちゃん退団時にグラフに掲載されたみりかの対談に全て詰まってます。

「(退団までに)ペガサスになれるように…」と言った花乃ちゃんに対し「強そうなのがいい、もっと黒光りするような」と返したみりおくんが最高に私の愛したみりかの!!!!!!!究極の師弟系トップコンビ!!!!!!!という感じで今でも定期的に読み返します。

 

 

さて、思いの外みりかのについての話が長くなってしまいましたが(拗らせがひどい)前エントリーを見ても分かるように今は宙組のまかまどコンビに夢見てます。

その中で、先日まで公演されていた「El Japón(エル ハポン)-イスパニアの侍/アクアヴィーテ!!~生命の水~」でまたトップコンビロマンチックな関係すぎる論を拗らせたので今回のエントリーを書こうと思ったのでした(実はここまで前置きの予定だった)。

 

基本的に私はトップコンビという関係性に夢を見ています。夢を見まくっています。

生まれも育ちも年齢も違うタカラジェンヌ2人がトップコンビとして組み、2人だけの感情や時間を共有し、観客に夢の世界を見せてくれている…。

そもそも特定の相手役を得られるのはトップスターだけってときめき制度すぎません!?!?

「僕の女の子」を見つけたトップスターが「僕の女の子」にだけ見せる表情だったり言葉(台詞)だったり、いやもう最高ジャン……(噛み締めるオタク)。

 

絶対的0番に寄り添えて、0番位置で抱きしめ合えるのは(基本的に)トップ娘役だけ。

宝塚歌劇の絶対的特別・トップスター…の絶対的特別・トップ娘役。

何度生まれ変わっても(=演目が変わっても)お互いに恋に落ちるトップスターとトップ娘役(時に例外あり)。

ときめく以外の選択肢ある???いや、ない(反語) 

「トップコンビをここまで拗らせてるのはなぜですか?」って聞かれたら、もう単純に、ただただ純粋に「2人を取り巻く❝特別感❞に最高に滾るからです」としか答えられない。

 

大好きなトップコンビの❝特別感❞を最近ビシビシと息絶えそうなほど突きつけられたのが、「アクアヴィーテ!!」のまかまどデュエットダンスです。

贔屓目?死ぬほど入ってます。狂ってるから見逃して。

NHK BSプレミアムで放送された「アクアヴィーテ!!」、カメラワークが色々新鮮でBlu-rayと見比べるのが大好きなんですが、デュエットダンス序盤~中盤あたりでステージセンターで組んでステップ踏むまかまどの表情を正面(若干斜め)から抜いてくれたのは感謝しかないです。

あの表情見ました?見てなかったら見てください。本当に見て。お願いだから見て。

あんっっっなにお互い愛おしそうに見つめ合ってるのに、見つめ合ってるが故に観客は横顔しか見えず、真正面から見られるのはお互いだけってやばない???やばい

伏し目がちに優しく微笑む真風さんと、大きな瞳で見上げるまどかちゃん。

あの素晴らしい表情を…っ、あの愛に溢れた表情を…っ!お互いに独占するトップコンビ…!

 

「宝塚ってそういうもんじゃん?そういう演出じゃん?」って言われたら「仰る通り」としか言えません。

そう、演出。振り付け。分かってます。

分かってるけど夢を見てしまう。夢を見させてくれる。

そんな存在であろうとしてくれるトップコンビが、私は大好きです。

 

あとなんといっても「アクアヴィーテ!!」デュエットダンス最後。

星風まどかに一輪の薔薇を送る真風涼帆という絵を見せてくれて、本当にありがとうございます。感謝しかない。

これぞまさに私の大好きなトップコンビの❝特別感❞が凝縮された場面でした。

まかまどが寄り添って、薔薇を持ったまどかちゃんの手に真風さんが手を添えて、おでこをくっつけて目を閉じる……。

最高の絵を見せてくれた大介先生には感謝しかありません。ありがとうございました。

 

正直言って、トップコンビという制度がなければここまで宝塚歌劇にハマっていなかったと思います。あとデュエットダンス。

夢を見させてくれるトップコンビ、タカラジェンヌ宝塚歌劇に感謝しながらこれからも思う存分トップコンビに狂いたいと思います!!!

 

 

まかまど的余談。

単純に真風涼帆という男役はずるい。恋に落ちるしかないジャン…(まかまどが)。

真風さんは大人っぽいビジュアルだけど笑顔がとっても可愛いから(むにっとなる口角とか)、歯を見せて笑うと「わっ、そんな風に笑うんだ…」「案外無邪気に笑うんだな…」って少女漫画のヒロインみたいなことを未だに思っちゃうときがあるんですよね。リア恋か?

そんな笑顔がまどかちゃんに向けられている瞬間を見るのが大好きなので、これからもよろしく、まかまど。